マルチコンポーネントIC無税化の実現に向け活動しています

近年、様々な製品に活用され、脚光を浴びる”マルチコンポーネントIC(MCO)”に関し半導体国際委員会では無税化に向けた活動を行っております。

JEITA半導体部会は、世界半導体会議(WSC)を活用して、半導体製品の関税無税化、特にマルチコンポーネントICの貿易自由化を推進して来ました。

5月のWSCで合意されたMCO無税化提案に基づき、今年9月に開催された半導体に関する政府間会合(GAMS)では、WTO(注1)のITA(注2)拡大交渉の枠組みの中で、MCOの無税化を日米欧韓台の各極政府・当局として共同提案していくことが採択されました。

無税化の実現に向け、半導体部会は引き続き官民連携での活動を継続していきます。

マルチコンポーネントIC (MCO) とは
  • マルチコンポーネントIC (MCO)は、技術の発展に伴い、モノリシックICと共に能動素子、受動素子、その他部品が同一パッケージ内に同梱された新型半導体です。半導体技術の発展と半導体用途の拡大に伴って取引が増大しています。
  • この新型半導体MCOは関税分類上きちんと定義され、現行無税化されている集積回路と同様にITAや無税化協定として合意されれば無関税となりますが、現時点では合意されていないため、無税化の恩恵を受けられません。

(詳細は下記参照)

関税分類
MCOの無税化に向けた2012年の国際委員会の活動
  • 5月 日米欧中韓台のWSC加盟全6極産業界において、各極の種々の利害対立から、なかなか同意に至ることができなかったMCOの定義案ですが、粘り強く協議を重ねてきた結果、米国ニューヨーク州サラトガスプリングスで5月開催のWSCにてようやく定義案の合意に至ることができました。
  • 9月 この合意された定義案の提案に基づき、ベルリンで開催された半導体に関する政府当局間会合(GAMS)および関税当局を含む専門家会合にて、定義案のブラッシュアップが検討されましたが、MEMS(Sensor、Actuator、Resonator、Oscillator)の同梱を含んだ定義案に中国政府が反対し合意できませんでした。

このため、中国を除く日米欧韓台の5極の政府・当局と、中国を含む日米欧中韓台の6極産業界が合意したMCO定義案を、現在協議中のITAの改正の動きに合わせて、5極の政府・当局により共同提案することが合意されました。引き続き、MCO無税化の実現に向け、半導体部会では、官民で連携した活動を展開していく予定です。


<注記>
○WTOとは(注1)
世界貿易機関(World Trade Organization : WTO)は、各国が自由にモノ・サービスなどの貿易ができるようにするためのルール(=各種の協定)を決め、貿易障壁を削減・撤廃 するために、加盟国間の貿易交渉の場を提供する国際機関です。
http://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/wto/index.html

○ITA(Information Technology Agreement: 情報技術協定)とは(注2)
情報技術協定(ITA:Information Technology Agreement)とは、情報関連機器、部品等の関税撤廃を目的として1996年に日米EU等により合意された閣僚宣言(Ministerial Declaration on Trade in Information Technology Products)を指し、ITA参加国はITA対象製品の関税無税化をGATT第2条に基づく自国譲許表に記載することが求められています。パソコンなどのコンピュータや携帯電話をはじめとする通信機器、IT機器に必要不可欠な半導体、半導体製造装置などについて、貿易を促進するために75ヵ国・地域で関税が撤廃されています。
JEITAでは、10月3日にITA拡大シンポジウム共同声明を採択し、10月12日にラミーWTO事務局長に手交しています。
http://home.jeita.or.jp/iad/pdf/20121012_j.pdf http://home.jeita.or.jp/iad/pdf/20121012.pdf

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