近年、世界情勢はかつてない急激な変化を遂げています。社会課題の面では、気候変動への対応が一層クローズアップされ、世界各国がGXを標榜してグリーン化への対応を加速しています。また、AIをはじめデジタル技術の発展と活用は社会活動のあらゆる分野で鍵を握っており、日本の国際競争力の行方も大きく左右します。さらに経済安全保障上のリスクは、国家の安全保障の命運を握る現実的な危機として認識されるようになりました。
これら世界情勢の重要な変化は、いずれも半導体産業に直結していることが世界的に認識されつつあります。半導体の進化と革新が、日本を、そして世界を支えるとともに、より良い方向へ牽引する強い力を持っているという認識が共有されて注目を集めると同時に、現在の状況は日本の半導体産業が大きく飛躍する機会でもあると捉えております。
このように重要な局面を迎えている日本の半導体産業としては、今こそ産官学が強く連携しながら総力を結集し、世界の中で力強くスピード感を持って戦略的な取り組みを推進していく時であります。
半導体部会(JSIA)は、半導体メーカーおよび関連する企業が参画して、半導体に関する政策提言、人材育成、地域振興、通商課題に対して取り組むとともに、標準化の推進、環境問題への対応など、半導体業界に共通するさまざまな課題の解決を目指して活動を行ってまいります。また、海外の半導体工業会と「世界半導体会議」(WSC)を通じて連携し、「半導体に関する政府当局間会合」(GAMS)への提言も行ってまいります。
今後も、日本の半導体産業の発展を通じて、社会のデジタル化、グリーン化、経済安全保障に貢献できるよう部会会員メンバーの皆さまと力を合わせて取り組んで参る所存でございます。なお一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
2024年7月
一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)
半導体部会(JSIA)部会長 竹見 政義