半導体部会と委員会活動

半導体部会長ご挨拶

半導体部会(JSIA)部会長 小山 一弘
半導体部会(JSIA)部会長
小山 一弘

近年、世界情勢はますます不確実性を増しており、第2次トランプ政権による関税政策や中東地域における地政学的緊張の高まりなど、国際経済の分断が現実味を帯びてきています。各国では経済安全保障の強化が急務となり、自国の産業・技術基盤の戦略的確保に向けた取り組みが加速しています。

さらに、AI技術の高度化に伴い、Physical AIの活用やロボティクスの進展が製造、物流、医療、介護など多様な分野で急速に進み、社会構造そのものに変革をもたらそうとしています。これらの動向はすべて半導体産業と密接に関係しており、半導体は今や国家と産業の基盤を支える最重要インフラとして位置づけられています。

加えて、気候変動への対応と持続可能な社会の実現に向けて、GX(グリーントランスフォーメーション)の推進が世界的な潮流となっています。省エネルギー技術や再生可能エネルギーの普及、エネルギー効率の向上はGXの柱であり、これらを支えるのがまさに半導体技術です。電力変換やエネルギー制御に関わる高度な半導体技術に加え、半導体そのものの低消費電力化も重要な要素であり、システム全体の省エネ性能を高める上で不可欠です。こうした技術革新は、電力の最適化や脱炭素社会の構築に貢献し、半導体産業はGXの実現においても中心的な役割を担っています。

半導体の進化と革新は、日本の産業競争力の再構築に不可欠な柱であり、世界の課題解決を牽引する推進力としても大きな期待が寄せられています。現在の状況は、日本の半導体産業にとって極めて重要な転機であり、これを成長の好機と捉え、次代を見据えた果敢な挑戦が求められています。このような局面においては、産官学の緊密な連携を一層強化し、機動力と戦略性をもって取り組むことが不可欠です。

半導体部会(JSIA)は、半導体メーカーおよび関連企業が参画し、半導体に関する政策提言、人材育成、地域振興、通商課題への対応に加え、標準化の推進や環境問題への取り組みなど、業界共通の課題解決に向けて活動を展開しています。また、海外の半導体工業会と「世界半導体会議(WSC)」を通じて連携し、「半導体に関する政府当局間会合(GAMS)」への提言も行ってまいります。

今後も、日本の半導体産業の発展を通じて、社会のデジタル化、グリーン化、経済安全保障に貢献できるよう、部会会員の皆さまと力を合わせて取り組んでまいる所存でございます。皆さまの一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2025年7月

一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)
半導体部会(JSIA)部会長 小山 一弘

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