新年度第1回としては、三菱東京UFJ銀行の石丸氏より、経済分析のご専門の立場から日本経済の動向について講演頂いた。
◇演題 「東日本大震災後の日本経済の動向」
◇講演者 三菱東京UFJ銀行 企画部 経済調査室 上級調査役 石丸 康宏 氏
I.概要
日本のマクロ経済の現状分析と今後の見通しをテーマとし、多面的な角度からの調査・分析に基づく4部構成からなる時宜を得た内容となった。
1.日本経済の概況
東日本大震災後における日本経済の景気動向についての全般概況の紹介。
(1)原発事故と電力供給問題の帰趨
(2)海外経済(米・欧・新興国)の動向
(3)円高リスク等〜が注目点。
2.東日本大震災の日本経済への影響
この大震災が日本経済に与えた影響を生産・需要サイドの両面から分析。
3.分野別の動向
個人消費、設備投資、住宅投資、輸出等のGDPを構成する要素項目、および鉱工業生産、雇用、消費者物価等の各経済指標についての動向分析。
4.東日本大震災からの復旧・復興に向けて
今後の改善努力、追加対応が生産・経済活動へのネガティブ・インパクトを着実に抑制しよう。産業界は、休日シフト、連休シフト、時間シフトによって、制約条件を満たしつつ、経済活動を行う。
II.日本におけるマクロ経済の予測
1. 震災による被害が甚大であった分だけ、潜在的な復旧・復興需要も大きいと推測。政府の迅速な対応を前提とすれば、民間セクターの需要拡大も整うことにより、景気回復のシナリオを展望することが可能。
2. 年間ベースでは、本年度は、マイナス成長だが、来年度は、プラス成長に浮上すると予測。