平成23年度第2回講演会を開催
2011年11月17日(木)於JEITA会議室

半導体産業委員会(加盟企業 20社)は、従来からメンバーに資する講演会を企画、開催してきた。
今回は、特許庁から講師をお招きし「グリーンイノベーションにおけるビジネス戦略」と題し、環境/エネルギー等の分野における特許調査や各国の産業政策等、多面的な角度からの情報をもとに、半導体業界の活性化に向けたビジネス戦略を示唆する興味深い講演を頂いた。内容に触発され参加者からも活発な論議が展開され大変有益な講演会となった。

◇演題:「グリーンイノベーションにおけるビジネス戦略」−特許制度の活用のポイント−
◇講演者 特許庁 特許審査第三部 半導体機器 グループ長 先任上席審査官 大嶋洋一氏


平成23年度第2回講演会を開催

I.概要
1.日本の成長戦略と新しいビジネスチャンス
東日本大震災により、「新成長戦略」の見直しが行われ、環境・エネルギー大国としての戦略(グリーンイノベーション戦略)の立案とその実践が加速されることになった。また、これらの環境産業分野では、日本企業、特に半導体企業は、技術的に優位なポジションにあり、新たなビジネスが期待できる。取組む基本姿勢としては、まず、顧客の要求に関して、運用・サービスなども含めトータルで捉える。また、部品ビジネスに限定することなく、必要な技術・製品・ノウハウ等は、外部調達やパートナーを探すことでスピード感のある展開を実施する。このような考え方や取組みによりビジネスチャンスは大きく広がる。

2.グリーンイノベーションの実例
(1)太陽電池: 導入状況、普及促進策等の紹介に加え、色々な地域で実施されている取組が紹介された。原子力の代替には成り得ないが、家庭用電源、独立電源、メガソーラなど、有効に活用出来る場面は存在する。
(2)LED:
・食物工場:近年、新鮮な野菜、安全な野菜に対するニーズは高くなっている。これらの野菜は、温度、湿度等の管理が行われるが、加えて、プログラム制御された効率的LED照明により、自然に左右されず、計画的生産が可能となる。 また、LEDの波長を制御することにより甘さなどの調整も可能。
・デジタルサイネージ(電子看板):進化した通信技術により表示情報をいつでも受信が可能、且つ、秒単位で表示内容を切り替えることが簡単にでき、多様な映像広告装置として展開することができる。
(3)パワーデバイス:
・半導体関連の特許出願の全体傾向は減少傾向にある中で、パワーデバイス分野は増加傾向にあり貴重な成長分野。また、そのデバイス市場は130億ドルであるが、サービス市場はその約20倍。
・今後、電気自動車(EV)の出現により、パワーデバイスが多く使われることになるが、この分野では、コストという従来の競争軸に加えて、信頼性、耐久性等、安全性という日本が優位な競争軸ができる。


II.大嶋審査官よりのメッセージ
今、グリーンイノベーションというトレンドの中で、多くの産業が芽吹いている。既存のビジネスモデルにとらわれることなく、積極的に新しいビジネスモデルにチャレンジできる好機を迎えている。
日本は、被災を通じて、エネルギー・環境というこれから注目すべき産業分野について世界で最も感度の良い人種となった。この感度を活かせば、次世代において世界をリードするエネルギー・環境関連分野の企業がでてくる可能性はある。
「ピンチはチャンス」という前向きな気持ちでビジネスを見直して欲しい!

半導体模倣品に対する注意のお願い F-GHG測定・管理ガイドライン DFM(design for manufacturability:製造性考慮設計)用語集 DFM(design for manufacturability:製造性考慮設計)用語集 DFM(design for manufacturability:製造性考慮設計)用語集 新規追加版 よくわかる半導体 半導体の社会貢献 半導体ミニ辞典 半導体の大冒険 BCMへの取り組み