PND(Personal Navigation Device)とは、一般に地図データを内蔵フラッシュメモリやメモリーカードに格納し、 3 〜 5インチ型の画面をもった小型のナビゲーションシステムである(図2-2-B1)。
車両への取り付け・取り外しが簡単であり、小型で携帯できるため盗難が防止でき、複数の車で使用することも可能である。 このため、PNDは欧州・米国を中心に急速に拡大している。2007年には全世界で年間3000万台を超える巨大市場に成長した。 今後は日本およびアジアで市場の拡大が見込めるため、2011年には5000万台を超える市場となることが予測される*F1。
自車位置の表示、目的地の設定・誘導などの基本ナビゲーション機能はすべて備えており、 道路交通情報や音声合成による道路名発話などにも対応した機種も多い。また電池を内蔵しているものが多く、 自動車から離れて使うことができるのも特徴である。例えば、PNDを携帯して、観光地を散策するような使い方も考えられる。
PNDの基本回路は、GPS部と、ナビゲーションのエンジンであり制御を行うシステムLSI、およびメモリ、 液晶ディスプレイパネルなどから構成される(図2-2-B2)。
GPS部は、高感度化・マルチパス対策によって、測位率・測位精度向上が図られ、システムLSIの処理能力も飛躍的に向上している。
通信手段を内蔵することによるネットワーク連携サービスへの対応とともに、歩行者が利用する情報端末としても機能発展していくことが予測される。
*F1
出典:『2008年版 ITS関連市場の現状と将来展望』、キメラ総研。