最近の家庭用ゲーム機では、高精細な動画像を滑らかに表示する高度な機能が求められています。 このために、大容量の画像データを高速で処理できるシステムLSIが必要になっています。 今まではロジックチップ内にSRAMを搭載したLSIによりデータ処理を行ってきましたが、SRAMの占有面積が大きくなりすぎてしまい、搭載できるメモリ容量には限界がありました。 そこで、高誘電体キャパシタを用いたDRAMをロジックチップに搭載したDRAM・ロジック混載LSI (eDRAM)が開発されました。 本技術により搭載メモリ容量の向上、回路動作の高速化に成功、高機能ゲーム機への搭載が可能となりました。
eDRAMではメモリセル面積の縮小化が必要です。 また、高速なロジック回路動作を維持し、SRAMと同等の読み出し/書き込み動作シーケンスを確保するために、メモリセルの主要なコンポーネントの抵抗を低減することが重要です。
図2 同一面積ではeDRAMのほうがメモリ容量が大きい |
図3 SRAMと同等の読み出し/書き込みシーケンスが可能 |
そこで、絶縁膜には新材料の高誘電率膜であるジルコニウム酸化膜を世界に先駆けて採用し、また電極には金属を利用してメモリセル・キャパシタを構成し、メモリセル面積の縮小化による搭載メモリ容量の向上と回路動作の高速化を実現しました。 このような高誘電体キャパシタは、金属(Metal)-絶縁膜(Insulator)-金属(Metal)構造ということで、MIMキャパシタと呼ばれています。
このシステムLSIは、世界中で広く愛用されている家庭用ゲーム機に採用されています。 今後、さらに他のさまざまなアプリケーションにも広く使われていくでしょう。
(NECエレクトロニクス株式会社)