東芝が世界に先駆けて実用化したNANDフラッシュメモリは、国産で初めての世界標準メモリとしてデファクトスタンダード化に成功しています。 デジタルカメラ向けメモリカードが牽引し2003年に4千億円に拡大した市場規模は、2007年は1.5兆円に達し、2010年には3兆円に達する見込みです。
NANDフラッシュメモリは、低価格化と大容量化により、既存の記録メディアであるフィルムやテープ、HDD、ディスク各種を置き換え、メモリカード、USBメモリ、携帯電話、Siオーディオ、最近はSiムービーやPCに広がり、新しい市場の創出を牽引しています。
NANDフラッシュメモリの特徴は、メモリセルサイズが従来NOR型の1/2以下となる(図1参照)ことと、多値技術の導入です。 近年ではNANDフラッシュメモリの1つのメモリチップ中には数十億個以上のメモリセルがありますが、2値技術では1bit/cellのデータ記憶を実現します。 一方、世界で初めて東芝/SanDiskが製品化した4値技術では2bit/cellのデータ記憶を実現し、メモリセル数の2倍のデータ記憶が可能となりました。 また東芝/SanDiskは、世界で初めて16値NANDフラッシュメモリの試作に成功しています。 この超多値技術を用いることで、大幅なビットコスト低下を実現できます。 ポケットの中にフルHDムービーを何十本も持ち歩ける時代もすぐそこまできています。
(株式会社 東芝)