トランジスタが1947年に発明されてから,ことし(2007年)で60年,還暦を迎えました。この間,半導体はトランジスタ,IC(集積回路),LSI(大規模集積回路),VLSI (超LSI)と発展を続け,多くのエレクトロニクス製品を登場させてきました。
半導体がなければ,パソコンも,携帯電話も,デジタルオーディオも,デジタルデジタルテレビもなかったでしよう。低燃費で安全・快適なドライブを実現する自動車も半導体の力があってこそです。
しかし,この半導体は機器の中に組み込まれているため,あまり人目に触れず,地味な存在です。実際は,小さなチップの中にさまざまな新しい機能を集積し,システムや機器の小型・低価格化・高機能化を実現し,新しい市場を創造しています。
この半導体のビジネスと技術情報を網羅したのが本書です。1980年の第1版発行以来,これまで9版に渡って刊行してきました。今回の第10版(2006年版)は,内容をさらに充実させ,システムLSI(またはSoC)時代を迎えての新しい設計手法やナノメータ時代の限界に挑む製造技術など,最新の技術動向をわかりやすく紹介するとともに,半導体産業を取り巻く環境や課題,主な応用製品などを幅広く紹介しています。