JEITAでは、3月5日に大学生や大学院生向けのナノテク・材料技術に関連した産業紹介イベント『“これからのリーディング産業はこれだ!” 〜「ナノテク・材料技術」による日本の競争力〜』の第6弾 半導体/微細加工(経済産業省、文部科学省およびJEITAなど関連業界団体主催)を開催いたしました。 会場には、東京都千代田区霞が関の経済産業省に理工系大学生、大学院生を中心に約40名が参加されました。
このイベントは、学生に対し、ナノテク・材料技術関連の業界7分野(鉄鋼、繊維、ガラス、非鉄金属(レアメタル)、ファインセラミックス、半導体/微細加工、化学)を紹介し、次代を担う若者にこの分野に対する関心を高めてもらい、裾野拡大を図ると共に、ナノテク分野のレベルを底上げすることを目的にしています。 半導体/微細加工はその第6弾にあたります。
開会に当たって、経済産業省商務情報政策局情報通信機器課の月舘課長補佐に半導体産業の概要についての説明をいただきました。 引き続いて、半導体/微細加工分野の知識を広めていただくため最先端技術の紹介を行いました。
東京大学生産技術研究所の桜井教授に「半導体の新技術と未来」と題した講演をしていただきました。 桜井教授は、3次元集積回路、有機半導体シートやこれを応用した電子人工皮膚、無線給電シートなど新技術を紹介し、これらを使って安心・安全・豊かな社会を支えるどこでもチップ(ユビキタス・エレクトロニクス)の実現に半導体技術が貢献できるという話をされました。
続いて、(株)半導体先端テクノロジーズの渡辺社長に「ナノテクをリードする半導体の魅力」と題した講演をしていただきました。 渡辺社長は、デジタル家電とそれを支える半導体の具体例の説明から入り、微細加工技術の進展や光配線回路技術などの新技術、新ナノ材料による新型メモリ等を紹介し、半導体ナノエレクトロニクスの期待が高まっているとの説明をされました。 半導体とMEMSや光、高周波、ディスプレイ、センサー、バイオなど他分野との融合システムの可能性について述べられました。 また、ナノカーボンテクノロジーへの期待もお話になりました。
午前の最後には、半導体産業新聞社の甕(もたい)記者から「“産業のコメ”半導体、その業界動向と将来展望」というお話をいただきました。 甕記者からは、半導体産業の特徴や歴史、応用例の紹介、日本半導体産業の強みとともに、半導体製造装置業界についても紹介がされました。
午後には、バスで神奈川県川崎市の多摩川にほど近い東芝科学館に移動しました。 ここは、東芝の開発拠点の一角を利用して、科学技術の歴史や発明品・機器の展示、また科学原理や法則について体験を通して理解できる施設です。 学生の皆さんには、10名ほどのグループに分かれ1時間弱の見学をしていただきました。 皆さんは、説明員の丁寧かつユーモアも交えた案内に興味深く聞き入っていました。
最後は、東芝科学館の会議室で、JEITA半導体部会半導体人材戦略小委員会の委員との意見交流会です。 1グループ“学生10名ほどとJEITAの委員(半導体各社の人たち)3名”で3グループを作り、自由に意見を交換しました。 テーマは、(1)半導体業界や企業のイメージ、(2)就職先を選ぶポイント、(3)企業に望むことの三つで、約1時間のグループ討議の後、全員で各グループの報告をしてまとめました。 学生のみなさんにアンケート記入していただいた後、17時にすべてのスケジュールを終了いたしました。
午前中は最先端技術や半導体の未来を感じさせる講演会、午後には東芝科学館の見学会や業界の人たちとの意見交流会と、盛りだくさんな内容でしたが、学生の皆様のアンケートによると、半導体/微細加工分野への興味を深めることに役立った有意義な一日となったとのことでした。 学生の皆さん、ご参加ありがとうございました。