「医療・ヘルスケア機器への半導体参入の戦略セミナー」を開催
(半導体技術委員会主催:2011年12月12日 JEITA会議室)

昨今、急速な高齢化の進展に伴い、医療や健康維持に関するニーズが高まっており、医療・ヘルスケア機器市場の高い成長が期待されています。半導体には、こうした機器の進化や高度化を支える役割が求められており、海外の競合メーカではこの分野への注力が顕著になっています。こうした中、JEITA半導体部会では、医療機器開発の専門家をお招きし、現場・市場のニーズや半導体への期待などを講演頂きました。


医療・ヘルスケア機器への半導体参入の戦略セミナー
有意義な議論が行われた医療・ヘルスケア戦略セミナー 基調講演: 妙中センター長

特別講演では、「医療(ヘルスケア含む)機器、現場・市場のニーズと半導体への期待」と題し、(独)国立循環器病研究センター 研究開発基盤センターの 妙中センター長から、ご講演頂きました。

ご講演では、高齢化社会において、国民生活を支える「生活インフラ」としての医療・健康・介護の充実が不可欠であり、その産業化によって新たな市場・雇用の創出と新しい輸出産業の柱の創造に繋げる必要があること、その実現のためには、医工連繋といった異業種連繋が重要であり、半導体が提供するシーズとの連携に期待しているとの表明がありました。

異業種連携の具体例として、体内埋め込み型人工補助心臓の開発事例や国内外の連携の場の創出事例などが紹介されました。また、国の新成長戦略「ライフイノベーション」の推進に向け、省庁横断の「医療イノベーション会議」や内閣官房に「医療イノベーション推進室」が設置され、医療機器産業の創出に向け大胆な予算投入や規制改革を目指した動きがあることなども紹介頂きました。

続いて、「大企業の医療機器分野への新規参入のための戦略、及びPL 対応 」と題して(財)医療機器センター医療機器産業研究所の日吉上級研究員、中野主任研究員より、ご講演を頂きました。

医療機器は人命に直結するため、PL(製造物責任)法による訴訟リスクを恐れて、半導体産業側としては、この分野の参入に腰が引けている面が否めませんでしたが、両氏からは、責任は医療機器メーカが負い、部品メーカには及ばないことを、国内外の事例も踏まえ丁寧に解説頂き、心配せずに医療機器分野へ積極的に参入ください、との力強いメッセージを頂戴しました。


医療・ヘルスケア機器への半導体参入の戦略セミナー
講演: 日吉上級研究員 講演: 中野主任研究員

JEITAからの調査報告の後、全体ディスカッションでは、出席者からの活発な質疑・議論が行われ、成長が期待される医療・ヘルスケア機器分野に対する知見を深めることができ、有意義なセミナーとすることができました。

半導体技術委員会としては、今後も、医療分野の半導体市場拡大のための検討を深め、合わせて意見交換会・研究会等を開催していく予定です。

「JEITA 医療・ヘルスケア機器への半導体参入の戦略セミナー」の概要

目的:
 1. 医療機器の現場からの半導体へのニーズの理解。
 2. 医療機器の立場から見た新規参入の戦略やPL 対応の理解。
 3. 半導体の立場での関心事の紹介とディスカッション。
主催: JEITA 半導体技術委員会
日時: 2011年12月12日(月) 13:30-16:30
場所: JEITA(社)電子情報技術産業協会 4階 416会議室
基調テーマ: 医療(ヘルスケア含む)機器、現場・市場のニーズと半導体への期待
プログラム :
 1. 開催挨拶:JEITA 半導体技術委員会 佐藤副委員長
 2. 特別講演:「 医療(ヘルスケア含む)機器、現場・市場のニーズと半導体への期待」
   (独)国立循環器病研究センター
   研究開発基盤センター センター長 妙中 義之氏
 3. 講演:「 大企業の医療機器分野への新規参入のための戦略、及びPL 対応 」
   (財)医療機器センター
   医療機器産業研究所 主任研究員 中野 壮陛氏
   医療機器産業研究所 上級研究員 日吉 和彦氏
 4. JEITA 半導体技術委員会 医療TFより
 5. 全体ディスカッション
 6. 閉会の辞 半導体技術委員会実行委員会 中石主査

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