宮城県では半導体製造装置分野をはじめとする高度電子機械産業振興のために、地元の理工系学生を対象として、エレクトロニクス分野およびメカトロニクス分野の実習を中心とした研修を通じて、若手技術人材の育成に取り組んでいる。
昨年に引き続き今年度も、半導体産業委員会傘下の半導体人材戦略小委員会宛に、講師派遣の依頼があり、8月9日に開講式が宮城県庁で開催された。
参加者は県下の東北工業大学、東北学院大学、仙台高等専門学校など5校から学生約50名が参加した。
冒頭、若生正博宮城県副県知事が開講の挨拶で「宮城県は将来産業として半導体関連の製造産業に期待している、次世代産業技術を担う気持ちで取り組んで欲しい。」とのご挨拶があった。
若生正博宮城県副県知事 | 講演会場(宮城県庁会議室) |
続いて、研修講座が開講され、JEITA電子デバイス部 部長代理の藤井嘉徳氏が「半導体産業の概況と世界半導体市場の動向について」と題して講演し、半導体産業の現状と動向を解説した。半導体はさまざまな電子機器に使用されている基盤デバイスであり、日本は省エネの技術などで世界的に高い水準にあり、将来的には環境、エネルギー、ロボット分野などで日本の半導体技術の飛躍が期待されると力説した。
電子デバイス部 藤井嘉徳部長代理 | 半導体人材戦略小委員会主査 平田雅規 |
さらに、JEITA半導体産業委員会委員長 兼 半導体人材戦略小委員会主査の平田雅規氏(ルネサスエレクトロニクス(株))は「未来社会を実現する半導体技術と産業界の期待する人材像について」と題して、半導体は微細化により高集積化、高性能化が進展してきたこと、携帯電話、PC、薄型TVなども半導体技術の進展とともに小型化、軽量化が進み、人々の生活をより豊かに便利に安全にし、未来社会の実現に貢献してきたことを解説した。また、産業界の期待する人材像として、論理的思考能力、問題解決能力および問題発見能力、コミュニケーション能力、協調性、リーダーシップなどが必要であると結んだ。
受講者は最後まで熱心に聴講され、成功裡に終了した。
(JEITA半導体産業委員会 半導体人材戦略小委員会主査 平田雅規)