「ICガイドブック2012年度版 出版記念講演会&交流会」開催

<2012年4月17日早稲田大学・国際会議場(井深大記念ホール)>
主催:JEITA半導体部会・半導体産業新聞

「ICガイドブック2012年度版」の発刊を記念し、”アプリケーション側から期待される半導体”との趣旨から各界の第一人者より講演を頂いた。
講演は、JEITA半導体部会・山口部会長のご挨拶を皮切りに、檀上では、ロボット、センサー装着によるデモンストレーションも披露され、聴講者の心をつかみ、会場を魅了した。
最後に経済産業省 商務情報政策局情報通信機器課 課長補佐 小竹 幸浩氏よりご挨拶頂いた。

ご挨拶される山口部会長 基調講演をされる高須氏
ご挨拶される山口部会長 基調講演をされる高須氏

以下プログラムと概要は下記のとおり。

【基調講演】
>> MORE THAN MOOREで新たに広がる半導体の世界
ローム株式会社 常務取締役 高須 秀視氏
エレクトロニクス産業は、中国の成長、新たな国際分業の進展など構造変化の渦中にあり、ビジネス戦略上、研究開発の重要性が増していることにまず言及された。
氏は、利益をあげる方法を問い、一般的にはコストダウンや数量増が挙げられるが、販売価格を上げるべきだ、と主張。どうするか、と言えば、今までにない新しいものを生み出せばそれは可能である、と持論を展開された。そのために、半導体技術と材料を融合した新たなアプリケーションの創出による利益の向上を目指しており、具体例として、強誘電体不揮発性ロジック、加速度センサー、SiCパワーモジュール、医療センサー等を紹介。最後に、こうした新規技術による新市場の創出は、単独では無理であり、グローバルなトップと連携していく、と力強く締め括られた。


【出版記念講演】
>> ロボット時代の創造−小型ヒューマノイドロボットと暮らす未来−
(株)ロボガレージ 代表取締役社長  東京大学 先端研究特任准教授 高橋 智隆氏
ロボット開発にかかわるようになった経緯から、コマーシャル・フィルム撮影におけるエピソードが紹介され、檀上では、実際にロボットを駆動させ、音声反応やアクロバットな動きを披露し聴講者を大いに魅了した。小型ヒューマノイドロボットは、人が擬人化して、思わず語りかけたくなるようなところがあり、自然なコミュニケーション相手としてその存在意義があるのではないだろうかと語った。氏には、そのようなロボットが身近に溢れる近未来が見えているようであった。


小型ヒューマノイドロボットの実演 説明される高橋 智隆氏
小型ヒューマノイドロボットの実演 説明される高橋 智隆氏

>> 自動車の電子化・知能化と機能安全規格について
財団法人 日本自動車研究所 ITS研究部 部長  森田 康裕氏
JARI発足の経緯と役割、主な研究分野等の事業についての紹介の後、映像にて次世代ITSとこれによる自動運転や隊列走行実験の様子が放映された。こうした高度な走行制御技術の確立には車載電子システムの品質確保が重要であり、それを体系的に保証するシステムとして国際標準規格(ISO26262)が紹介され、その活用にあたっての課題と対応方針が示された。


森田 康裕氏のご講演 板生 清氏のご講演
森田 康裕氏のご講演 板生 清氏のご講演

>> 健康と先端治療・医療−生体信号のセンシングとその活用−
東京大学 名誉教授 工学博士 板生 清氏
“万物は情報発信する”との提唱と、生体信号のセンシング技術が実演され、現在は、人体につけるマイクロセンサーとセンサー信号を処理するスマートフォンとを結ぶラスト1mの標準化ができていないことが主要課題であると語った。今後、このような課題が解決し、マイクロセンサー、ウェアラブルコンピュータ、そしてクラウド・サービスを通じて、遠隔からの医学指導や管理を可能とする「総合的なセンシング」へと発展していく将来像が披露された。


>> 科学技術立国に向けての新たな挑戦と人材育成
早稲田大学 名誉教授 工学博士 大泊 巌氏
世界の半導体市場がまだまだ拡大する中で、日本が復権するには、魅力的なアプリケーションを開発し続ける努力が不可欠であると訴えた。更に、日本を覆う意気消沈シンドローム払拭のために、失敗を恐れないリスクへの挑戦と、人材育成の観点から、若者のリスクへの挑戦に対する社会全体でのサポート実行という強いメッセージが本講演で発せられた。


大泊 巌氏のご講演 ご挨拶される小竹 幸浩氏
大泊 巌氏のご講演 ご挨拶される小竹 幸浩氏

講演会終了後、同大学生協大隈ガーデンハウスカフェテリアにて交流会が催され、講演者、聴講した社会人・学生、ICガイドブック出版関係者が入り混じり、講演やガイドブックによって指し示された半導体の将来への期待を語りあう一時を持つことができた。

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