半導体産業委員会の講演会として、半導体とその応用分野に精通し、精力的に情報発信している 産業タイムズ社 泉谷社長にこれからの半導体産業の発展の鍵を握る医療産業、環境エネルギー、次世代自動車などのアプリケーションにおける技術・市場動向についてご講演いただきました。
国内外での調査を踏まえた多角的かつグローバルな視点から、各分野において半導体需要が喚起される可能性を展望した内容となっており、JEITAを始めとする半導体産業界の羅針盤となる大変力強いメッセージをいただくことができました。
◇演 題:半導体産業の劇的潮流変化に注目せよ!!
〜環境エネルギー/医療産業/次世代環境車
◇講演者:株式会社産業タイムズ社 泉谷 渉 氏
◇聴講者:半導体産業委員会委員等25名
◇主な内容:
1. 環境エネルギーの革新は半導体需要を押し上げる
・スマートタウンやスマートコミュニティ構想において、サーバやスマートメータで使われる記憶媒体や半導体チップの需要が見込まれる。
・太陽光や風力などのさまざまな環境エネルギーの開発が進められるなか、日本では立地条件と製造技術に優れているヒートポンプの台頭が期待される。
・エネルギーコストでは太陽光や風力を抑え、埋蔵量では石油、石炭に勝るシェールガスはエネルギー革命をもたらし、半導体、電機、自動車などさまざまな産業で新興国中心のものづくりの構図が一変する可能性を秘めている。
2. 医療と半導体のクロスオーバーに注目せよ
・半導体製造技術は液晶産業に応用され、ついで太陽電池に移っていった。つぎの波が医療産業であり、ITを上回る勢いで急成長を遂げている。
・ガン治療や内視鏡検査を始めとした先端医療機器には画像処理や通信技術などさまざまな半導体技術が使われており、医療産業の成長にともない半導体の需要は増すばかりである。
3. 自動車の安心・安全は将来の巨大市場
・自動車産業の世界市場は今後も堅調な伸びが期待されるが、電気、ガソリン、ディーゼル、ハイブリッドなど動力源の割合についてはシェールガスの動向を見守る必要がある。
・タイヤの空気圧制御や衝突防止システムなど自動車の安心・安全は世界的な流れであり、進展する法制化の動きも追風となって、センサーや制御用半導体の大きな伸びが期待できる。
人の生命を預かる医療、安心・安全に関わる自動車の産業、そして地球規模の取り組みである環境エネルギーで必要となるのは最高レベルの品質をもつ半導体であり、世界のなかで日本の半導体技術が期待されています。