化学物質の情報管理に関する講演会を開催しました
2013年6月20日(木)於JEITA会議室
半導体産業委員会の講演会として、同じ半導体部会の2012年度環境委員会委員長であった鍵野実氏を講師に招き、近年重要性を増している化学物質の情報管理について講演および討議を行いました。
同じ部会内とはいえ専門性を増した環境委員会の活動内容からは、新たに得る知見も多くありました。しかし一方、講演後は産業委員会委員から疑問や課題が活発に提起され、講師を交えて有意義な討議を行うことができました。
講演会の概要
◇演 題: 「半導体産業におけるサプライチェーン連携の重要性」
◇講演者: 半導体環境委員会2012年度委員長 鍵野 実 氏
◇聴講者: 半導体産業委員会委員等23名
◇主な内容:
- サプライチェーンに関わる経営リスク
・RoHS、REACHをはじめ、製品に含有される化学物質情報管理を企業に要求する法規制が世界各国・地域に広がっており、これに違反すると罰則規定が適用され、企業は甚大なダメージを被ることになる。
・規制の内容や対応方法は法規制ごとにまちまちであるが、企業は使用する材料の化学物質情報を収集することが必須になっている。しかし半導体と半導体が搭載される製品は一般にサプライチェーンが長く、それらの法規制すべてに対応することは企業にとって困難な課題となっている。
- 解決策としてのJAMP
・上述の課題を解決するひとつの方策として、日本他の多くのメーカーが参加しているJAMPがある。
・JAMPでは、情報を共通のルールのもとで管理し、その情報が川上→川下、川下→川上と双方向に錯綜することを排し、川上→川下の一方通行で流れるようにする。そのうえで共通フォーマットとIT技術を駆使して、効率よく化学物質の情報管理ができるしくみを提供する。
【用語】
- RoHS(Restriction on Hazardous Substances)
… 2003年にEUで採択された指針。鉛や水銀等6種類の物質を禁止する。
- REACH(Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicals)
… 2007年EU施行。ほぼすべての化学物質について企業に安全評価を義務付ける。
- JAMP(Joint Article Management Promotion-consortium)
… アーティクルマネジメント推進協議会。2006年日本で発足。