STRJ ( Semiconductor Technology Roadmap committee of Japan : JEITA半導体技術ロードマップ専門委員会)は、日本の半導体産業におけるニーズと戦略に基づき、国際活動とも連携して、5〜15年先に対する半導体技術ロードマップを作成することを目的として、JEITA半導体部会の技術委員会傘下の専門委員会として活動を続けています。
加えてSTRJの委員は、ITRS (International Technology Roadmap of Semiconductors)の編集作業に、日本を代表して参加しており、技術ロードマップに関する情報・認識を共有するため、毎年、3月初旬にSTRJワークショップを開催してまいりました。
今年度は、2014年3月7日に品川コクヨホールにてSTRJワークショップを開催し、150名の方に参加いただきました。
ワークショップ開会に際し、経済産業省商務情報政策局情報通信機器課の浅川 浩二課長補佐に来賓ご挨拶をいただきました。ご挨拶の中で、「経済産業省は、平成25年度の補正予算、平成26年度本予算で半導体技術に関連する複数のプログラムを予算化しており、半導体産業界に対して、その成果が事業化につながることを期待している」とのお言葉をいただきました。
プログラムでは、ITRS(国際半導体技術ロードマップ)2013年版の概要解説の後、STRJの各ワーキンググループ(12WG)から活動状況の報告が行われ、最近1年間の半導体技術動向のトピックスをSTRJの会員企業からの参加者の皆様と共有する良い機会となりました。各講演後の質疑応答を通じて、有意義な議論をすることができました。
また今回は、特別講演を2件企画しました。株式会社EUVL基盤開発センター(EIDEC)の森 一朗氏には、「EUVリソグラフィ:その進展とさらなる微細化への取り組み」について講演いただき、デバイス技術のトレンドとそれに対応するリソグラフィ技術開発の今後の見通しについて、次世代の露光技術であるEUV(極端紫外線リソグラフィ)を中心にお話しいただきました。また産業技術総合研究所(AIST)の品田 賢宏氏には、「単一原子制御への挑戦−ERM決定論的(Deterministic)ドーピングのご紹介−」という題目の講演をしていただき、原子レベルのスケールで不純物を半導体にドーピングする最新の研究内容についてお話しいただきました。この技術により、新原理デバイスの実証やさらなる低消費電力化が期待されています。
EIDEC 森 一朗氏 | 産業技術総合研究所 品田 賢宏氏 |
最後に、STRJの諮問委員会の林喜宏委員長に全体総括していただき、ワークショップは締めくくられました。
ワークショップ終了後、懇親会を催し、参加者間の交流の場とするとともに、議論をさらに深める機会を持つことができました。
多数の方に関心をもってご参加いただき、STRJワークショップを成功裏に終了することができました。STRJワークショップの開催にあたり、関係各位の多大なるご支援、ご協力をいただきました。この場を借りまして、厚く御礼申し上げます。
なお、STRJのホームページでは、ITRSの日本語訳、STRJの活動情報などを掲載しております。こちらもあわせて参照いただけるとありがたく存じます。