自動運転に関する講演会を開催しました
2015年1月15日(木)於JEITA会議室
半導体産業委員会の講演会として、近年注目を集めている自動運転について、みずほ銀行の蜂谷勝之氏にご講演いただきました。自動運転に関するファクトの整理にとどまることなく、自動運転が引き起こす可能性のあるパラダイムシフトについて独自の仮説を展開されたご講演に、参加者一同おおいに刺激を受けました。
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蜂谷 勝之 氏 |
講演会の様子 |
講演会の概要
- 演題:「自動運転による自動車産業のパラダイムシフト」
- 講演者:みずほ銀行 蜂谷 勝之 氏 (産業調査部 参事役)
- 聴講者:半導体産業委員会委員等13名
- 主な内容:
- 昨今日本でも自動運転の取組みが盛んになっている。自動運転の意義として渋滞緩和・解消、交通事故削減、環境負荷低減、高齢者等移動支援、運転の快適性向上といったことが挙げられているが、日本での議論には効率性の視点が欠けているように思われる。
- 自動運転に対する自動車業界のアプローチは、個車の機能を向上させていくクルマの機能進化と認識することができる。これに対してGoogleは自動運転を、クルマの台数を減らして効率的なモビリティ社会を実現する手段と捉えたアプローチを行っているといえる。
- 一方で現在のクルマは、繁栄したがゆえにその成長限界を迎える惧れがある。事故や渋滞や環境問題といった社会的費用の増大に加え、特に新興国都市部の人口集中に伴う物理的制約が、単純な自動車の普及拡大を困難にすると考えられる。
- そのようななか自動運転により、運転者のタスクが運転以外にシフトすること、および、シェア化の進展に伴いクルマが「持つモノ」から「利用するモノ」となった場合、自動車産業は、車輛が大きな付加価値を生む量販型ビジネスモデルから、車輛からの「あがり」を享受するストック・サービス型ビジネスモデルへのパラダイムシフトを惹き起こす可能性がある。
- 新たなビジネス領域へのシフトが起こるこのような局面では、それらのビジネスを遂行する上で必要となるプラットフォームを握ることが重要となる。