INC(International Nanotechnology Conference on Communication and Cooperation)は、日米欧のナノテクノロジー政策立案者、研究者、企業のキーパーソンが集まり、ナノテクノロジーの最新動向・将来の方向について議論し、国際的な協力・交流を推進する国際会議です。
INCは、日米欧の持ち回りで、年1回開催されてきており、INC11は日本の福岡で開催されました。参加者は196名で、我が国からは、内閣府、文部科学省、経済産業省の他、産学等から157名の参加がありました(米国18名、欧州21名)。
JEITA半導体技術委員会 INC-WG(国際ナノテクノロジー会議ワーキンググループ)は、オーガナイザー参画機関の一つとしてINC11の企画・運営に積極的に貢献しました。
講演者としてJEITAから推薦したのは以下の3名の方々(講演順)です。日本のナノエレクトロニクスにおける最新の成果を披露していただき、いずれも会場の注目を集めました。
・石内 秀美氏(東芝)
「Nanoelectronics in Japan Industry 」
・高木 信一氏(東京大学)
「Nano Device Technologies for Ultra Low Power LSIs 」
・内田 健氏 (慶應義塾大学)
「Thermal-aware Device Design of Nanoscale Electronic Devices for More Moore and More-than-Moore Applications」
講演風景 |
ポスターセッション |
Day1(5/12)では、本会議の特徴の一つである、3極の政府と産業界を代表する方々のナノテクノロジーへの取り組みについての講演がありました。さらに、システムレベルにまで言及のあった完成度の高いCNTトランジスタ技術の発表などが注目を集めました。Day2(5/13)は急速にスマート化していくmobilityを基軸テーマとした複数のセッションで構成され、実用化に邁進する自動運転、高性能電池、高度な処理を可能とするプロセッサ、センサなどの技術開発状況が披露され、ナノテクノロジーが寄与する「Smart mobility」の世界についての議論がなされました。
ポスターセッションでは、日25件、米16件、欧12件の計53件の展示があり、活発なセッションとなりました。各極から1件ずつ、計3件の優秀ポスターが表彰されました。
Japan Nano Day(5/11)では若い研究者への新しい試みとして、高校生によるポスタープレゼンも行われそのレベルの高さに驚かされました。
INC11のその他の結果を含む概要は以下の通りです。
次回(INC12)は、2016年5月にベルギー IMECで開催予定です。