省エネ社会の実現を支える半導体産業

  人々の便利な暮らしと地球環境を守る省エネ社会の実現、これは社会全体の課題として大きくクローズアップされています。半導体産業が属する電子機器産業は、技術の発展により、その省エネ社会の実現を土台から支えているのです。
  図1をご覧ください。半導体産業は、使用されるIT/電子機器、および、機器が社会システムで活躍することによって、直接的に間接的に21世紀のIT社会・文明を支えており、新たな産業革命の担い手として、新たな電子・情報・通信機器を生み出す原動力として、人々に安全・安心で快適な生活を提供する機器の担い手として、それらの省エネ化を支え人・環境に優しい製品の提供(高齢化、地球環境対応)に貢献しています。

省エネ社会の発展を、土台から支える半導体産業(図1)
省エネ社会の発展を、土台から支える半導体産業(図1)


<社会システムの進歩による二酸化炭素:CO2削減例>
  ITSは、道路に設置されたカメラやセンサーで感知した情報を、自動車に搭載されているカーナビゲーション機器に送信し、渋滞の緩和、スムーズな自動車の運行を行うことにより無駄なブレーキング、アイドリングを削減することができます。
  では、半導体が使用される機器が活躍するITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)による渋滞緩和が、二酸化炭素:CO2をどれだけ削減するのか、効果を見てみましょう(出典:みずほ情報総研株式会社)。

  図2は、ITSによるCO2排出量の削減効果についてのグラフです。ITSによる渋滞緩和は、ITSのシステムの動作エネルギーの増加分をカバーしさらに削減効果に寄与していることを示しています。


ITSシステムによるエネルギー削減効果(図2)
ITSシステムによるエネルギー削減効果(図2)
  • ITSシステムのCO2の削減効果は、2005年度で約45万t-CO2/年です。 (図2−右上)
    なお、年45万t-CO2/年は、PCによるCO2排出量約300万tの15%程度になります。
  • VICS車載器のエネルギー増:車載器の消費電力増加。 (図2−左上)
    車載器の設置台数は、2005年3月段階で、1500万台、CO2排出量は2006年度で年12万tとなります。
  • VICSインフラのエネルギー増:光ビーコン、電波ビーコンのエネルギー消費量に伴うエネルギー増加します。 (図2−左下)
    ビーコンの設置台数は、2006年3月段階で、光ビーコン約30,000箇所、電波ビーコンは約3,000箇所で、CO2の排出量は、合計で約16,000tとなります。


  次にETCによるCO2排出量の削減効果についてはどうでしょうか。
  ETCによる高速道路料金所付近の渋滞緩和によるCO2排出削減量は、2006年8月のETC利用率において、全国で4割と試算されています。

ITSシステムによるエネルギー削減効果(図3)
ITSシステムによるエネルギー削減効果(図3)
  • グラフは、現在のETC利用率の推移と大井本線料金所の渋滞量との関係を示しています。
    a)ETC利用率vs. ETC利用台数
    b)ETC利用率vs.渋滞量
  • ETCによる全国のCO2排出量削減効果:14万t-CO2/年となります。


<半導体産業の社会貢献>
  これまで説明してきた様に、半導体産業界は、当該業界が生産している半導体製品が全ての電子機器を通じて社会の進歩・平準化に貢献しています。また、同時に、それらの電子機器製品を通じて、社会の省エネに貢献しており、これら社会貢献を鑑みて、半導体製品は、開発されています。

社会の進歩に貢献する半導体製品(図4)
社会の進歩に貢献する半導体製品(図4) 社会の進歩に貢献する半導体製品(図4)

  今後、なおいっそう半導体業界は、半導体製品が21世紀のIT社会・文明を支える戦略基盤製品と認識し、社会的責任を履行する事が重要であると認識し、誠意と創意もって、情報社会発展に寄与するとともに、人々の快適で豊かな生活の実現に貢献する事を目的に、半導体製品を通じて、企業の社会的責任(CSR:環境的側面、経済的側面、社会的側面)を重視した企業行動の原理・原則もって、実践していきます。


<社会システムの省エネ効果の備考>
a)VICSによる渋滞減の効果:自動車によるエネルギー消費量のうち、渋滞により増加している分の一部を緩和する。
  • 自動車のエネルギー消費量は、貨物・旅客とも2001年をピークに現象傾向。
    (ア)輸送量は、貨物は上昇、旅客は1999年ごろから横ばい状態。
    (イ)2001年を境に自動車1台あたりの走行燃費は上昇。
    (ウ)VICSの導入は、1996年から開始。
  • 自動車保有台数は、約5,000万台で横ばい状態。
    車載器の保有率は、2005年度で約30%(2006年度は35%程度-自動車保有台数が大きく変化しなければ、と推計される。)

車載器の電力消費量に対するCO2排出原単位は、ガソリン・軽油燃焼熱から100%の発電効率で発電できるとしたときの原単位(0.24kg-CO2/kWh)を想定した。

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