今年で35回目となる 世界最大級の国際展示会セミコン・ジャパン2011では、850以上もの装置メーカーや大学からの出展があり、会場は設備見学や新技術の紹介を目的にブースやセミナーへと向かう来場者で賑わっていた。
2011年は、3月に「東日本大震災」、11月に「タイで大洪水」と工場被災し、半導体業界にとっても苦難の一年であったが、復興に向けた意志が込められた「東北パビリオン」のアピール展示が目を引いた。また、日本とアジア各国が手を取り合い共に成長しようとの思いから「Power of Asiaパビリオン」が新たに設けられ、本年の展示会を象徴していた。
昨年に比べると、密集して展示ブースが並び、昨年出展を見送った企業も返し咲き出展数も増加しており、会場の賑わいからは、リーマンショックからの復活や大震災、大洪水に屈しない業界の力強さを感じることができた。
ただ、展示内容は、実機展示ではなく、パネル展示やパソコン画像による紹介で、簡素化された印象であった。そんな中で、ミニマムファブの展示は、実機デモで注目を集めていた。建屋全体の空調施設などが不要で省エネな点が、震災後の状況にマッチするかもしれない。
今回のセミコンでは、これまで目にしたことがなかった建設会社からの出展があり、耐震/免震構造化による地震対策や省エネ対策が提案されていた。こんなところにも、東日本大震災の影響を感じさせられた展示会であった。
<入 場 登 録> 事前登録済みにも関わらず 会場に入るための長蛇の列 |
<展 示 会 場> 所狭しとブースが並ぶ会場 |
<注目を集めたブースの一つ> ミニマムファブでスタッフの説明を 熱心に聞く来場者 |
<未来の技術者の姿も・・・> 会場案内図を片手に楽しそうに談笑 |
<<付記>>
セミコンJAPANに併設開催となったPVセミコンJAPANにも触れておきたい。
セミコンに比べやや小ぶりな会場だが、大きな太陽電池パネルや風力発電装置なども展示され見応えがあった。震災対策・省エネ対策として日本が再生可能エネルギーの実用化に向けて本格的に動き出した、との印象を受けた。
会場には、家族連れも多く、一般家庭にとって省エネ対策は、興味深い分野になっているようである。半導体設備メーカーもその動きを意識しており、セミコンJAPAN会場でも太陽電池製造を意識した資料が準備されており驚かされた。
半導体設備メーカー、そして、デバイスメーカーが取り組んできた先端技術が、新たな分野へと大いに貢献していくことになりそうな・・・そんな印象を受けたセミコンJAPAN2011であった。
SEMICON JAPAN 2011の開催結果>