家電機器の省エネ化に貢献するインバータ実装技術

IMST(絶縁金属基板技術)を用いたインバータH-ICの開発

図1 インバータ用ハイブリッドICの内部写真(平面図:三洋電機(株) 提供写真)

21世紀は「環境」と「エネルギー」が時代のキーワードといわれています。 モーターやコンプレッサなどを使う機器は私たちの周りに多数ありますが、例えば、白物家電といわれるエアコン、洗濯機、冷蔵庫などの省電力化を実現するための技術としてインバータ制御技術があります。 インバータ制御技術とは、モーターやコンプレッサなどの回転数を細かく制御し、省電力化を実現するものです。 このインバータ制御技術を容易に実現するために、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、FRD(Fast Recovery Diode)などのパワーデバイス、制御用IC(Integrated Circuit)、保護回路用の検出抵抗、その他受動部品(コンデンサ、抵抗)などを高密度実装したパワーハイブリッドICがあります。 高電圧(600V)、大電流(50A)を制御する回路部分なので、これを一つのICで実現することは難しく、多数の部品を組み合わせて実装するハイブリッドIC(H-IC、図3)が多く用いられています。

このインバータ制御などのパワーエレクトロニクス分野に最適な実装技術としてIMST*1(絶縁金属基板技術)があります。 ベース基板に金属であるアルミニウム(Al)を採用しており、熱伝導率の優れたAlにより、パワーデバイスから出る熱損失を効率良く放散させることができます。(図1、図2) この技術により、小型で高い品質を確立したパワーハイブリッドICの実現が可能となりました。

この技術は、今後、全世界規模で需要が高まるインバータ機器へ採用され、省電力化技術を通して、低炭素化社会の実現に向けて貢献していくと期待されています。

*1 IMST:Insulated Metal Substrate Technology(絶縁金属基板技術)、三洋半導体独自技術

(三洋半導体株式会社)

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