近年のデジタルビデオカメラはハイビジョン化が進められ、手軽にハイビジョン記録された映像を楽しむことができるようになりました。 映像を電気信号に変えるためには、イメージセンサが必要で、CCDイメージセンサが広く用いられています。 しかしながら、ハイビジョンは映像情報が従来の5倍以上必要なため、高速に信号を処理しなければなりません。 CMOSイメージセンサは、様々な回路を容易に内蔵でき、高速性を有しているため、CCDよりハイビジョン対応に適しています。
ソニーは世界で初めてハイビジョンデジタルビデオカメラにCMOSイメージセンサを搭載しました。
イメージセンサには高速性だけでなく、小型化、高画質化が求められます。 小型化はセットの小型化に寄与します。また、高画質を表す代表的な特性が感度です。 感度は、センサを構成する画素のフォトダイオードに、光をどれだけ集められるかを表すものです。 小型化に伴い、小さくなった画素に光を集め、感度を向上することが課題となります。 この課題解決のためには、集光率の高い構造とフォトダイオード面積を拡大する技術の開発が必要です。
そこで、ソニーは、先端CMOS LSIプロセスで培われたCu(銅)配線技術と、CCD高画質化プロセスであるオンチップレンズ技術を融合し集光率を高めました。 さらに、1画素当たりに必要なトランジスタの数を、従来から半分近くに減らし、フォトダイオード面積を拡大できる画素構成技術を開発。 小型で高画質なCMOSセンサを実現しました。
これらの技術は、今後、デジタルビデオカメラだけでなく、デジタルスチルカメラや携帯電話向けのCMOSセンサにも適用され、高機能、高画質カメラの発展に貢献していくでしょう。
(ソニー株式会社)