2008年5月29日(木)にグリーンIT国際シンポジウムが、産官学多方面かつGlobalに約480名の方々の参加を得て、東京のザ・プリンス パークタワー東京において盛大に開催された。 本シンポジウムはグリーンIT推進協議会主催の下、省エネに対する取組みに関して共通認識化を図る為に開催され、WSC関係者として米国・台湾から10名が参加した。
まずグリーンIT推進協議会の町田会長等の挨拶が行われ、“前日のオープニングレセプションにおいてグリーンIT推進協議会はClimate Savers Computing Initiative及びThe Green Grid各々と、情報交換・Webサイトの相互リンク等の長期的協力関係の確立に関して覚書(MOU)を締結した”との報告が行われた。
次に、(独)産業技術総合研究所 吉川理事長が基調講演を行い、トータル的なグリーンIT研究開発推進の重要性・必要性を訴えるとともに科学的な助言機関創設の提案が行われた。
この後、WSC特別セッションを含めて10名の方が様々な視点から省エネに関する講演を行った。これらの講演においてほとんどの方が省エネ施策の中で半導体について触れられていたことは特徴的であった。
これら講演のうちWSCセッションにおいては、まずWSCのHuang Chairmanが、WSCの概要、半導体マーケットの特徴、“Green Fab、Green Products、Green End Products、Green Society”確立における半導体の省エネ活動・省エネ貢献、政府への期待等について紹介し、「半導体産業の省エネ貢献とグローバル環境保護活動」について理解を求めた。 またJEITAの室町半導体部会長は「日本半導体産業における環境関連活動」について講演を行い、先端的事例を紹介する中でGreen Fab確立の為の主要活動・効果目標を明らかにした。 WSCは、これらのお二人のスピーチを通じて、今後の半導体産業成長に対する理解と支持を求めた。
続いて、二つのパネルディスカッションが行われた。
一つ目は「ITそのものの省エネ」についてであった。
これはCO2排出量全体の2%に対する取組みであるが、今後のCO2排出量増大化の危機に対して研究開発等におけるSustainableな取組みの必要性が確認された。
また、半導体の技術革新に対する期待も表明された。
二つ目のパネルディスカッションは「ITによる省エネ」についてである。
これはCO2排出量全体の98%に対する取組みであるが、施策の実効性を高める為には消費者の理解を得ることが必要であり、その為の仕組み作り(各利害関係者毎の貢献度の見える化、貢献度に応じたインセンティブ制度等)が重要であることが確認された。
最後に、経済産業省の甘利大臣からの、本シンポジウムに対する感謝と期待のメッセージが伝えられた後、グリーンIT推進協議会の内田副会長より“政府内へのCool Earth実行本部設立”に関して提案が行われ、“2025年・2050年に向けた目標・施策とともに、既存の省エネ技術を活用した当面のアクションプラン作成を行う決意表明”を以って、9時間に亘って熱弁が続いたシンポジウムは成功裏に幕を降ろした。
WSC Chairman: Frank Huang, Ph.D.の講演内容
JEITA半導体部会長: 室町正志氏の講演内容