「ワイドバンドギャップ半導体実装の取り組みとクリーンデバイス事業」について大阪大学産業科学研究所 菅沼克昭教授にご講演いただきました
<パワー半導体専門委員会> 2015年11月24日(火)於ローム京都駅前ビル会議室

大阪大学 菅沼克昭教授
大阪大学 菅沼克昭教授

パワー半導体専門委員会では、メンバー間の情報共有、知見拡大のため、適宜専門家の方に講演していただいています。 その一環として、今回、大阪大学産業科学研究所 菅沼克昭教授に「ワイドバンドギャップ半導体実装の取り組みとクリーンデバイス事業」と題してご講演いただきました。

ご専門分野であるパワー半導体の実装に関する技術課題および最新の成果・活動に関し、分かりやすく解説していただきました。

ワイドバンドギャップパワー半導体の接合においては、‐50℃〜250℃の温度サイクル試験など過酷な環境に耐える信頼性が要求されます。一方で、低い電気抵抗や高い熱伝導率も求められます。セラミックや半導体は熱膨張係数が小さい一方、金属材料の熱膨張係数は大きく、接合に求められる要求を満足するのは容易なことではありません。
先生は銀焼結接合を中心に40年の間接合の研究を続けられ、大手自動車メーカなどにもその成果が利用されています。今回は、主に(1)銀焼結接合および(2)銀薄膜ストレスマイグレーション接合に関する最新の研究成果をご紹介いただきました。

(1)2種類の粒径分布を有する銀ペーストを組み合わせて接合するハイブリッド銀ペーストによる焼結接合プロセスを確立し、低電気抵抗、高接合強度、高熱伝導度、-50〜300℃の高耐熱衝撃性を実現できました。メカニズムの解明、ポアなど微細構造の制御を進められた結果この成果が得られました。
熱硬化イミド型ナノコンポジット封止材により、モールド時の耐熱衝撃性を確保することも可能となりました。ポアに封止材が充填されることにより耐熱衝撃性が改善されます。

(2)銀薄膜のストレスマイグレーションを利用することにより、接合面の隙間に銀のヒロックを形成し、緻密な接合を形成する新たな接合技術を開発しました。銀ならではの酸化還元作用による接合強度強化のメカニズムを解明し、低濃度の酸素雰囲気中でこの処理を行うことにより、強い接合強度を得るプロセスを開発しました。

先生の今後の取り組みの一つとして、NEDOクリーンデバイス事業推進を通じたモジュールの信頼性評価技術の標準化の検討内容を紹介頂きました。パワー半導体モジュール事業の競争力確保・維持のためには、配線接合評価、樹脂接合界面評価、非破壊検査技術など、評価技術の標準化を主導しイニシアティブを取ることは大変重要です。接合技術開発および評価技術の標準化を通じ、日本のパワー半導体技術の競争力を高めていきましょうという強いメッセージを受け取りました。

以上

半導体模倣品に対する注意のお願い F-GHG測定・管理ガイドライン DFM(design for manufacturability:製造性考慮設計)用語集 DFM(design for manufacturability:製造性考慮設計)用語集 DFM(design for manufacturability:製造性考慮設計)用語集 新規追加版 よくわかる半導体 半導体の社会貢献 半導体ミニ辞典 半導体の大冒険