1980 〜 90年にかけて、LEDは電子機器の表示光源として使用されてきた。90年後半に高輝度の青色LEDが発明され、 各色(赤、緑、青)の急速な高輝度化が進んだ。この結果、LEDの特長である長寿命・高信頼性・省エネ性を生かして、 屋外での照明用にまで利用され、用途を拡大している。
主な用途には、交通信号機、自動車のヘッドライト、鉄道などの電光掲示板、液晶テレビのバックライト、屋外ディスプレイなどがある。
今後さらに高輝度化が進むことが予想され、ガス灯→白熱灯→蛍光灯といった約60年周期*9で訪れる光源革命の第4の光源として、 LEDに期待がかかる。すでに電球ソケット(E26口金)にそのまま使用できるLED照明も発売されている。
屋内照明用のLEDを使用した電子機器の制御技術も開発されている。この一つに照明用LEDによる「可視光通信システム」がある。 すでにJEITAでは規格化している(CP-1221)。波長380nm〜 780nmの可視光を使い、光の強さを特定の周波数で変調する。 携帯端末との組み合わせなどが考えられている。目に見える光を使ってデータを送受信するので、通信できる範囲や通信する相手を容易に確認できる。
*9
照明の60年周期:1878年に英国のJoseph W. Swanが真空白熱電球を発明した。
60年後の1938年に、米General Electric社が蛍光灯を発売した(日本での発売は1953年。
蛍光灯の起源は1856年の独Heinrich Geisslerらが発明したガイスラー管といわれている)。
さらに60年後の1998年には高輝度の青色LED(3000mcd)や緑色LED(8000mcd)が発売された(豊田合成)。
白色LED(蛍光体使用)は1997年に登場した。なお、中村修二氏の青色LEDの特許(特許2628404号)は1992年に出願されている。